こんにちは!
今回は東京ディズニーランドの人気アトラクションの一つ、ホーンテッドマンションについてのバックグラウンドストーリー(以下BGS)を館の主人の観点から紹介させていただきます。
さらに、ホーンテッドマンションには各部屋ごとにBGSもあります。こちらについては別の記事で紹介させていただきますので、そちらも併せてご覧ください!
ただ、非公式であろうなかろうと、BGSがすごく詳細で、素敵な内容なので紹介させてください!
はじめに~ホーンテッドマンションってどんなアトラクション?~
レンガ造りのゴシック式の洋館であるホーンテッドマンションには世界中から集まった999人の幽霊たちが住んでおり、現在1000人目の仲間を探しています。
そして、ホーンテッドマンションを訪れたゲストは、ドゥームバギーという乗り物に乗って、その洋館を巡っていくというアトラクションです。
ホーンテッドマンションのBGS紹介
ホーンテッドマンションの持ち主は、時系列に並べると次の通りと言われています。
- オランダ人市長
- ロナルド・スティーブンズ
- アメリカ降霊術協会
- ジョージ・グレイシー
- マスター・グレイシー
今回はこの館の主人の変遷とともにBGSを紹介させていただきます。
第1の主~オランダ人市長の話~
1671年10月31日、現在ホーンテッドマンションと呼ばれる館はオランダ人の市長によって建設されました。
この建設に先立ち、町の長老は市長に対して、建設予定地は、元来、神聖なインドの埋葬地3であるから汚すなと警告をします。しかし、市長は警告を無視して、川4を見下ろすことができるこの丘に館を建設してしまいます。
この警告を無視したこともあってか、建設中には原因不明の事故に悩まされます。もっとも、なんとか1671年10月31日に完成し、市長とその家族はこの館に移り住みます。
移り住んだはいいものの、館に住み始めるや否や市長の様子がおかしくなります。そして、警告を無視して館を強行的に建設した報いなのか、突然市長は、自らを墓地に幽閉し、亡くなります。
そして、市長の家族はそんな出来事もあり、この館から引っ越すこととなりました。
第2の主~ロナルド・スティーブンズ~
第1の主を失った後、しばらく館ははホームレスの溜まり場や、兵舎として使用されます。
そして、館が完成してから200年後、1871年に次の主が現れます。館のある地域で当時有力者であったロナルド・スティーブンズです。
ただ、館を手に入れたものの、館が完成してから200年も経過しており、また特定の所有者もなく利用されていたこともあって、十分な手入れはされていませんでした。したがって、まずは館の修復工事が必要となります。
そして、修復工事を始めたところ、館の建設時と同様に修復工事は原因不明の事故が多発します。なかでも、修復工事に携わっていた石工のフレッドは落石による事故で亡くなってしまいます。
このように、事故が多発することもあって工事を請け負ってくれる者が現れなかったのか、最終的に石工の仕事は、館の主人であるロナルド自ら引き継ぐこととなりました。
原因不明の事故が多数起きたことにより修復工事は難航します。しかし、館が建設された1671年かから丁度200年経った1871年10月31日に修復工事は終わり、スティーブンズ一家は館に移り住むこととなりました。。
しかし、第2の主であるロナルドも、移り住むや否や心を失ったようになり、突然、墓石に自分の名前を刻みはじめました。
そして、墓石に自分の名前を刻んだその日に、ロナルドはボイラーの爆発事故で亡くなってしまいます。
第3の主~アメリカ降霊術協会~
第2の主が亡くなった後、スティーブンズ一家は、館をアメリカ降霊術協会に売り渡します。
今までは人の住居として使われてきた館ですが、第3の主は違った用途で館を利用し始めます。
どのように利用したかといいますと、協会は、館の一室を降霊術の会のための部屋とし、夜中に霊を呼び出すために使ったのです。
なお、1914年の協会の解散までに降霊の回数は900超えたんだそう…(すなわち月に1回から2回程度(毎年20回程度)といった降霊術をしていたということになります。)
第4の主~ジョージ・グレイシー~
引用:「ホーンテッドマンションのすべて」ジェイソン・サーレル著、講談社出版
協会の解散後、館を譲り受けたのがジョージ・グレイシー、現在の主マスター・グレイシーの父親です。
ジョージ・グレイシーですが、館を譲り受けた後、何者かに斧で襲われ亡くなってしまいます。犯人は、不明とされていますが、妻のメアリー・ギルバート・グレイシーではないかと言われています。
ちなみに上の写真が、ジョージ・グレイシーの墓石の一部です。斧で襲われたことから、彼の胸像の頭には斧が刺さっています。そして、ジョージ・グレイシーを襲ったのは、妻のメアリー・ギルバート・グレイシーではないかと疑われるには理由があるのですが・・・この話についてはまた別の記事で紹介させていただきます。
そして、ジョージ・グレイシーの亡くなった後、当時寄宿学校へ通っていた息子のマスター・グレイシーに館が譲られます。
第5の主〜マスター・グレイシー〜
マスター・グレイシーは、現在の館の主であるといわれております。
まず、彼の姿については、1つ目のプレショーの部屋(ホワイエ)で年老いていく男性の肖像画で確認することができます(※2022年4月の時点ではプレショーは、感染症予防の観点から実施しておりませんでした)。
そして、マスター・グレイシー以前は、館の主人が変わるごとに物語が展開していました。しかし、マスター・グレイシー以降は、マスター・グレイシーに関わる人物が変わっていくごとに物語が展開します。
マスター・グレイシーとリリアンの結婚
引用:「ホーンテッドマンションのすべて」ジェイソン・サーレル著、講談社出版
マスター・グレイシーの父でもあるジョージ・グレイシーが亡くなった後、館を引き継いだマスター・グレイシーは、ホーンテッドマンションに移り住むようになりました。
館に移り住んだ後、マスター・グレイシーは、ある日サーカスを訪れます。そして、彼は、運命の出会いをします。というのも、マスター・グレイシーは、サーカスで綱渡りをしていたリリアンという女性に一目ぼれをしてしまうのです。
マスター・グレイシーが一目惚れしてしまったリリアンの姿が上の写真です。上の写真の絵は設定資料なのか、東京ディズニーランドでみる彼女と比べてはつらつとした顔に見えます。東京ディズニーランドで見ることができる彼女の顔は自分の最期を悟っているのかどことなく虚ろな目をしています。
そして、一目ぼれした後、マスター・グレイシーが熱心にアプローチした結果なのか、彼とリリアンは結婚することになります。
マダム・レオタの登場
マスター・グレイシーとリリアンは結婚したのですが、平和で幸せな結婚生活は長くは続きませんでした。
館が完成してから250年弱経っても相変わらず館では不可思議なオカルト現象が起きます。そこで、マスター・グレイシーは館を調査しようと動き出します。
そして、館のオカルト現象の調査活動をする中で、ニューオーリンズにおいてマスター・グレイシーは降霊術師のマダム・レオタに出会います。マスター・グレイシーは、彼女に出会うとすっかり彼女に魅了されてしまいます。
そして魅了された結果、マスター・グレイシーは強硬手段に出ます。何をしたかといいますと、妻のリリアンがいるのにもかかわらず、彼女を館に住まわせるようになったのです。
さらにマダム・レオタを館に住まわせるだけならまだしも、マスター・グレイシーはオカルトにハマって自己の財産をつぎ込んでいきます。
それではなく、やがてマダム・レオタは妊娠し、女の子を出産しました。父親は明かしていませんがマスター・グレイシーではないかと思われます。
リリアンの身に起きた不幸
そのことを快く思っていなかったのがリリアンです。
リリアンからすれば、結婚して間もないのに夫が突然、勝手に降霊師の女性を自宅に住まわせ始めるだけでもショックな状況です。それだけでなく、降霊師の女性が、(おそらく夫の)子どもを出産し、夫ともに降霊の儀式にハマって財産をつぎ込んでいるのですから快く思わないのも当然です。
そこで、リリアンは、マスター・グレイシーにマダム・レオタを館から追い出すように懇願します。
もっともリリアンの懇願はむなしく、マスター・グレイシーには聞き入れてもらえませんでした。さらにはリリアンの訴えを知ったマダム・レオタは激怒します。
マダム・レオタの怒りを買ってしまった結果なのか、リリアンは、ある日のパーティでマダム・レオタに綱渡りを披露することをしつこく頼まれます。そして、リリアンは当初は嫌がります。
しかし、あまりにもしつこく頼まれたので、仕方なくリリアンは綱渡りを披露することにしました。
そして、このマダム・レオタのお願いを聞き入れたのがリリアンの間違いでした。
綱渡りを披露し始めたところ、最初は順調でした。しかし、対岸まであと半分というところで、突然綱渡りの綱が切れ、ワニのいる川にリリアンは転落し、亡くなってしまいます。
この事故が本当に事故なのか、マダム・レオタの仕組んだものなのかはっきりとはしていないですが、おそらくマダム・レオタが仕組んだものなのでしょう・・・
マスター・グレイシーはエミリーと再婚
リリアンが亡くなった後、マスター・グレイシーは、生前のリリアンの懇願などは覚えていないのか、マダム・レオタと一緒にさらにオカルトへ傾倒します。そして、その結果、父親が遺した財産を食いつぶしていきます。
しかし、マスター・グレイシーの財産も限りがあります。いつまでも、マスター・グレイシーの資金のみでは活動を続けられないと悟ったマダム・レオタは行動に出ます。
どのような行動かといいますと、マダム・レオタは、マスター・グレイシーに対して、最近両親から莫大な資産を引き継いだエミリー・キャバノフと結婚するように勧めます。
そして、マスター・グレイシーは、マダム・レオタの意図を知ってなのか分かりませんが、マダム・レオタの勧めに従い、エミリー・キャバノフと再婚します。そして、マスター・グレイシーはこの結婚によって、エミリーが引き継いだ資産を手に入れます。
エミリーの身に起きた不幸
マスター・グレイシーがエミリーの財産を得た以上、マダム・レオタにとってエミリーの存在は邪魔になりました。そこで、マダム・レオタは花嫁のエミリーを始末できるタイミングをうかがいます。
一方で、マダム・レオタの企みには気付いていないのか結婚式の後、エミリーとマスター・グレイシーは、かくれんぼを行うこととしました。エミリーが隠れる側で、マスター・グレイシーがオニとなってゲーム開始です。
彼女は館で隠れる場所を探し始め、やがて屋根裏部屋へと向かいます。そして、屋根裏部屋で隠れる場所を探していたところ、オニであるマスター・グレイシーの声が聞こえます。そこで咄嗟に隠れなければと思ったエミリーは、ちょうど近くにあったトランクの中に身を潜めます。
トランクに隠れてしまったのがエミリーの運の尽きでした。
タイミングをうかがっていたマダム・レオタがエミリーがトランクに入った瞬間にトランクの鍵を閉めてしまったのです。エミリーは外側から鍵をかけられたため、トランクから出ることはできず、窒息して亡くなってしまいます。
この、エミリーのエピソードは、欧米の有名な都市伝説(結婚式の余興で、花婿がオニとなり、参列者、花嫁とかくれんぼしたところ、花嫁だけが見つからず、数年後、屋根裏部屋のトランクから変わり果てた姿の花嫁が見つかったというもの)がモデルになっている模様です。
マスター・グレイシーの最期
館に移り住んでから、すべてマダム・レオタの思い通りになります。そこでマダム・レオタは、マスター・グレイシーにさらに大胆な提案をします。
その大胆な提案とは、
「より強力な霊を呼ぶために、この館を霊界への入り口にしたい」
というものです。
しかし、今まで従順であったマスター・グレイシーもさすがにこの提案については断ります。
その結果、二人は口論となり、その中で、マスター・グレイシーは、二人の妻(リリアンとエミリー)がマダム・レオタの策略によって亡くなってしまったことを初めて知ります。
そのような衝撃的な事実を知ってしまい、マスター・グレイシーは、急にマダム・レオタが恐ろしい存在に見えました。そこで、マスター・グレイシーは急いで館から逃げ出すことを試みます。
しかし、マダム・レオタも、召使や亡霊を使ってマスター・グレイシーが館から逃亡するのを阻止ししようとします。
マダム・レオタやマダム・レオタの追手からマスター・グレイシーは必死に逃げますが、ついに屋根裏部屋に追い込まれてしまいます。
そこで、マダム・レオタは、追い詰められたマスター・グレイシーを水晶玉へと閉じ込める呪文を唱え始めます。
しかし、結果として、その呪文によって、マスター・グレイシーは水晶玉に閉じ込められることはありませんでした。
追い詰められたマスター・グレイシーは、呪文を唱え終わる前に、
自らの首をロープでくくり、
自らの人生に幕を閉じていたのでした。
そしてその呪文は誰に向かったかといいますと・・・対象者がいなくなった呪文は、マダム・レオタに跳ね返ります。
その結果、マダム・レオタが水晶玉に閉じ込められてしまいました。
そして、マスター・グレイシーが亡くなった後に新しい主が現れることはなく、現在に至ります。
あの不思議なオカルト現象が起こる館は“ホーンテッドマンション”と呼ばれるようになり、日々オカルト現象を体験しにゲストが訪れるようになりました。
最後に
以上が、ホーンテッドマンションョンのBGSでした。
他のBGSと比較してもとても登場人物が多く、特にマスター・グレイシーが主になってからは、一気に登場人物が増え、話も複雑になっていきます。これをキャストさんが創作したと考えるとアトラクションに対する愛情が伝わってきますよね!
また、今回は館の主人という観点からBGSを書いているので、リリアンや、マダム・レオタ、リトル・レオタ、エミリーについての記載はあっさりと書かせていただきました。彼女たちについても深いBGSがあるので、これについては、ホーンテッドマンションの部屋・施設についてのBGSで詳しく紹介させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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