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ホーンテッドマンションのBGSに南北が混在する理由——パークごとに異なる外観とエリア設定から読み解く

BGS(ストーリー・設定)

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突然ではありますが、ホーンテッドマンションのBGSを隅々まで観察していると、どこかちぐはぐな印象を受けたことはないでしょうか?

なお、ホーンテッドマンションのBGS自体あまりよく知らないという方は、是非こちらの記事を先に読んでいただくとより楽しんでいただけるかと思います。

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話は戻りまして・・・

たとえば、マスターグレイシーの妻リリアンが館の近くの川に生息するワニに食べられたというBGSがあります。ところがフロリダ版の館はアメリカ北部の邸宅風で、ワニが生息するような川のほとりに建っているとはとても思えません。東京に至っては、そもそも館の近くに川すらありません。

一方で、館を建てたのはオランダ人の市長というBGSもあります。かつてオランダ人が築いた植民地は現在のニューヨーク周辺にあたるため、オランダ人とアメリカの関係といえば北部のイメージが強く、今度は南部邸宅風のカリフォルニア版とはしっくりきません。

南部を感じさせる要素と、北部を思わせる要素が、同じアトラクションの中に混在しているのです。

実はこの「ちぐはぐさ」、ホーンテッドマンションがパークによって外観もエリア設定もまったく異なることと無関係ではないかもしれません。今回はそのあたりを紐解くべく、まずは3パークそれぞれの外観と立地エリアを比較してみます。

カリフォルニア版:南部の館

ディズニーランド(カリフォルニア)のホーンテッドマンションが位置するのは、ニューオリンズスクエアというエリアです。その名の通りアメリカ南部・ニューオリンズの街並みを再現したエリアで、ホーンテッドマンションの外観もそれに合わせた南部邸宅風の仕立てになっています。白い柱廊と二階ベランダ、アイアンの装飾手すりが印象的な外観です。

▶ ディズニーランド(カリフォルニア)公式サイトでホーンテッドマンションを見る

2023年に公開された実写映画『ホーンテッドマンション』も、舞台はニューオリンズ。カリフォルニア版のイメージに近い作品です。

フロリダ版:北部の館

フロリダのマジックキングダムにホーンテッドマンションが位置するのは、リバティスクエアというエリアです。アメリカ独立の歴史をテーマにした北部寄りのエリアのため、カリフォルニアのような南部邸宅風の外観にすることができませんでした。

そのため、フロリダ版はレンガ造りの北部邸宅風の仕立てになっており、カリフォルニア版とは大きく異なる外観になっています。

東京版:ファンタジーランドの館

東京ディズニーランドのホーンテッドマンションが位置するのは、ファンタジーランドというエリアです。カリフォルニアやフロリダとは異なるエリアへの設置ですが、これには理由があります。日本では幽霊やお化けはおとぎ話や寓話に分類されることが多く、おとぎ話はファンタジーランドに属することから、ホーンテッドマンションもファンタジーランドにぴったりと判断されたためです(『ホーンテッドマンションのすべて』より)。

 

外観はオランダ・ゴシック様式で、フロリダ版と同じデザインが採用されています。ただし、東京版には独自の工夫も施されており、表門の2本の柱の上にグリフィンのような怪物の像が置かれています。このゴシック様式の像が、ホーンテッドマンションをよりいっそうファンタジーランドの雰囲気に調和させる役割を果たしています。

海外のディズニーファンからは、ホーンテッドマンションがファンタジーランドに位置することへの驚きの声もあります。ある海外ブログでは、東京ディズニーランドとマジックキングダムの大きな違いのひとつとして、この点を取り上げているほどです。

実写映画は2本ある

実はホーンテッドマンションを題材にした実写映画は2本あります。

2003年公開の『ホーンテッドマンション』は、舞台はニューオリンズ(南部)で、外観もカリフォルニア版の南部邸宅スタイルをベースにしています。ただし、フロリダ・東京版のアイアンとガラスの温室棟を側面に加えた独自デザインになっており、3パーク全ての要素を融合させた作りになっています。

なお、同年にはパイレーツ・オブ・カリビアン第1作も公開されており、同じディズニーランドのアトラクションを原作とした映画でありながら、初週末の北米興行収入はパイレーツの約半分にとどまりました。

2023年公開の『ホーンテッドマンション』は、カリフォルニア版のイメージに近い、ニューオリンズを舞台にした作品です。

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2003年版は久しく見ていないため、改めて見直してみようと思っています。ニューオリンズらしさをより意識しているのは2023年版という印象がありますが、果たして見直したら感想は変わるでしょうか。

BGSにも南北が混在している

ここまで3パークの外観と映画を見てきましたが、実はアトラクション内のBGSにも南北が混在しています。

マスターグレイシーの妻リリアンがワニのいる川に落ちて亡くなったというBGSは、南部を強く感じさせます。カリフォルニア版は館のすぐそばにアメリカ川が流れており、外観・エリア・地理・BGSのすべてが南部で一致しています。一方、フロリダ版も近くに水辺はあるものの北部設定のエリアのため整合性がやや薄く、東京版に至っては館の近くに川そのものがありません。

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またリトルレオタの結婚相手がサトウキビ農園の経営者というBGSも、南部色の強い設定です。

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一方で、館を建てたのはオランダ人の市長というBGSは北部のイメージが強く、フロリダ版の世界観とは合致します。しかしカリフォルニア版の南部邸宅とはしっくりきません。

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これらのBGSはアメリカのキャストによる創作が起源とされており、ディズニー公式の設定ではありません。そのため「なぜ南北が混在しているのか」という問いに対する公式の答えは存在しません。だからこそ、ファンの間でさまざまな考察が生まれ続けているともいえます。

各BGSの詳細はこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

カリフォルニア版は南部邸宅、フロリダ・東京版は北部邸宅風と、外観がパークごとに異なるのはエリア設計の必然でした。映画でも3パークの要素が入り混じり、BGSの設定もまた南北が混在したまま公式の答えは出ていません。この「謎が謎のまま」であることが、ホーンテッドマンションの尽きない魅力のひとつかもしれません。

本記事を執筆するにあたり、『ホーンテッドマンションのすべて』を参考にしました。ホーンテッドマンションの歴史や制作秘話をさらに深掘りしたい方にぜひおすすめです。

 

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